当サイトは、ビットコインの価格から土日の為替レートを逆算しています。仕組みそのものは単純な割り算です。
BTCJPY ÷ BTCUSD ≒ USDJPY
ところがここには落とし穴があります。「BTCJPY」も「BTCUSD」も、1つに決まった数字ではないのです。
株式には取引所が1つあれば1つの終値がありますが、暗号資産は世界中の取引所がそれぞれ独立した板(売り買いの注文の集まり)を持っています。買いたい人と売りたい人の数は取引所ごとに違うので、価格もわずかにずれます。
本稿執筆時点(2026年9月4日 未明)の実測値です。当サイトが円建ての価格を取っている国内5社を並べました。
| 取引所 | 1BTCの価格(円) | 中央値との差 |
|---|---|---|
| bitFlyer | 12,584,638 | -0.033% |
| bitbank | 12,591,301 | +0.020% |
| Coincheck | 12,584,770 | -0.032% |
| GMOコイン | 12,587,665 | -0.009% |
| BitTrade | 12,595,676 | +0.055% |
最も安いところと高いところの開きは 0.088% でした。ドル建て(海外4社)の同時刻の開きは 0.049% です。
※ この差は常に一定ではありません。相場が大きく動いている時間帯ほど、取引所ごとの反応の速さの違いが出て開きます。
小さな数字に見えますが、為替に直すと無視できません。ドル円が155円のとき、0.088%は約13.6銭にあたります。
つまり、どの取引所を選ぶかだけで13銭ずれるということです。1社の価格をそのまま使えば、その社のクセがまるごと為替レートに乗ります。
これが、当サイトが円建てを5社・ドル建てを4社から取っている理由です。複数から取って中央付近を採れば、1社ごとのクセは互いに打ち消し合います。
複数から取ることには、もう1つ大きな意味があります。1社が壊れた値を返したときに巻き込まれないことです。
当サイトも以前は円建てだけ1社から取っていました。2026年8月に取得元を調べ直したところ、次のような実測値が出ました。
| 取得元 | 1BTCの価格(円) | そこから出るドル円 |
|---|---|---|
| 国内4社(当時) | 12,830,422〜12,841,670 | 159.57〜159.71 |
| ある海外取引所A | 12,881,669 | 160.19 |
| ある海外取引所B | 35,600,000 | 442.76 |
取引所Bの数字は、実勢のおよそ2.8倍です。これをそのまま平均に入れていたら、ドル円が442円と表示されていました。
ただしこれは「その取引所が壊れている」という話ではありません。原因は日本円の板がそこに無かったことです。板が無い通貨ペアに問い合わせると、取引所によっては実際の取引価格ではなく、内部の換算値のようなものが返ってくることがあります。数字は返ってくるので、確かめない限り気づけません。
取引所Aの方も、板はあるものの参加者が少なく、価格が0.37%高いところに留まっていました。為替に直すと約60銭のズレです。壊れてはいませんが、平均に混ぜれば精度は落ちます。
「価格を返してくるAPIがある」ことと「そこに本物の取引がある」ことは別です。当サイトは通貨ごとに板の有無を確認し、実際に売買が成立している取引所だけを取得元にしています。
集めた価格のうち、中央値から1%より離れたものは平均に入れません。除外した理由はデータに記録として残しています。
取得元が2社しかない通貨で、その2社が食い違ったとします。このときどちらが正しいかを決める方法がありません。当サイトは、その場合は両方を捨てます。
結果としてそのペアは表から消えますが、誤ったレートを出すより、出さない方が安全だと考えています。土日に見るページなので、確かめる手段が読者の側にないからです。
⚠ スイスフラン円とカナダドル円は、取得元が1社しかありません。ほかに十分な取引のある板が見つからなかったためです。その1社が止まれば、この2ペアはページから消えます。これは故障ではなく、意図した動作です。
複数から取ると書きましたが、数を増やせば良いというものではありません。当サイトが調べて、あえて採用しなかった取得元もあります。
| 見送った理由 | 例 |
|---|---|
| 価格が他社と一貫してずれる | 中央値から0.13%ずれ続けていた取引所 |
| 板はあるが取引が薄い | 出来高が少なく、1時間足の終値が現在値と1%以上ずれる |
| 法定通貨建てではない | USDT(ドルに連動する暗号資産)建ての価格 |
| 同じ板を二重に数えてしまう | 同一取引所の別々のAPI(差は0.000%だった) |
最後の1つは特に見落としやすい点です。同じ会社の異なるAPIを2つ登録すると、その会社の重みだけが2倍になります。取得元が増えたように見えて、実際は偏りが強まっています。
この手法自体は目新しいものではありません。差が出るのは実装の質です。当サイトは実際の誤差を精度の実測で公開しています。
トップページでは、9通貨ペアの土日レートを1分ごとに更新しています。